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日本のサクラが危ない
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- 皆さん、今年のお花見は楽しみましたか?
さて、突然ですが現在日本の春を彩るサクラが危険にさらされていることをご存じでしょうか?
上の写真のように木の幹から「フラス」という木くずのようなものが大量に出て、内部が空洞だらけになってしまい、その木は最終的には枯れてしまいます。
特に、見事に花を咲かせるような老木から被害が拡大しています。
この原因が「クビアカツヤカミキリAromia bungii」というカミキリムシの幼虫です。フラスはこの幼虫が木の内部を食べた残りの木くずと糞が混ざったものです。
クビアカツヤカミキリはユーラシア大陸が原産で、本来日本には居なかった種ですが、2012年に愛知県で初めて発見されたのを皮切りに東京都、群馬県、埼玉県、徳島県など全国7都道府県で見つかっています。
このカミキリが見つかった地域では、既にサクラやモモが枯れる被害が出てきていて、早急な対策が必要です。 -
クビアカツヤカミキリとは
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- クビアカツヤカミキリはその名前のとおり、体はツヤのある黒色で首が赤色をしており、体長は3~4㎝と大型です。
このカミキリがやっかいな点は、繁殖力が大変強く、1匹の雌が100~300個もの卵を産むことです。
ふ化した幼虫は木の幹に侵入し、内部を食い荒らして空洞化してしまいます。
2年から3年後の夏に成虫となって幹の中から出てきて、交尾した後産卵するというサイクルを繰り返して個体数を増やします。
クビアカツヤカミキリの標的となるのはサクラを含むバラ科の樹木で、モモやウメなどでも被害が報告されています。
そのため、2018年1月に環境省から特定外来生物に指定されました。
ここで注意したいのは、日本には全国各地に間隔を置かずにサクラが存在するということです。
学校、神社、公園はもちろん、街路樹や個人宅の庭にすらサクラは植栽されているのです。
これは、カミキリの分散を止めるような緩衝地帯がないということを意味します。
何かしらの抜本的な対策をとらなければ、近い将来、春のお花見ができなくなってしまうかもしれません。 -
被害をうけた木は・・・
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- 上の写真は2016年6月に徳島県で撮影された被害樹で、落葉してしまっています。
この被害樹は回復の見込みがないとして伐採されました。
下の写真のように内部が幼虫に食い荒らされ、空洞だらけになってしまっています。 -
サクラに広がる深刻な事態
- こうしたクビアカツヤカミキリによる被害に対して、モモやウメは農産物との位置づけから防疫措置として処理が行われます。
しかし、観賞樹木であるサクラは無防備状態です。
「このままだと数十年後には日本でお花見が行えなくなる」と、日大生物資源科学部森林資源科学科の岩田隆太郎教授は警告を発しています。
サクラは日本国内に本数が大変多い樹木です。あっという間に被害が拡大する可能性が高いのです。
いま最もその害を被っているのは群馬県館林市です。東京でもあきる野市や福生市で、埼玉県でも草加市などで確認されています。 -
群馬県館林市の事例
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その他メディアでも多数とりあげられています
- <新聞>
- <テレビ>
NHK首都圏のニュース 2019.2.24
全力脱力タイムズ(CX)2019.5.10 23:00 五箇公一先生の解説
スーパーJチャンネル(テレビ朝日)2019.3.26 17:09
――など
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今だったらまだ間に合います。
サクラに関しては現状ではほとんど無策の国や行政に頼っていたら遅くなります。
「あの時みんなでやっておけばよかった。」と後悔をしないように。
心のふるさとの「お花見」を次の世代につなげてゆきましょう。
今みんなで立ち上がりましょう。 -
クビアカツヤカミキリ撲滅プロジェクトについて
- 私たちはこうしたサクラの危機を知り、心のふるさとの「お花見」を次世代につなげてゆくために立ち上がりました。
<プロジェクトメンバー(順不同)>
岩田隆太郎氏 日本大学生物資源科学部森林資源科学科教授
やくみつる氏 森羅万象漫画家
篠本隆氏 東京生物クラブ連盟代表
里中正紀氏 昆虫研究家 学研プラス
小串重治氏 徳島大学環境防災研究センター客員准教授
中野昭雄氏 徳島県立農林水産総合技術支援センター
川嶋舟氏 東京農業大学農学部准教授
武中豊氏 東京農業大学第一高等学校中等部教諭
志田憲一氏 東京生物クラブ連盟事務局
カブトムシゆかり氏 タレント
大昆虫展実行委員会(共同通信社、スポーツニッポン新聞社、TBSラジオ、ぴあ、BSテレビ東京)
ほか昆虫研究家、高校教諭、森林生態学者など10名。
各分野の知見やネットワークをいかして、クビアカツヤカミキリ撲滅を目指します。 -
サクラを守るために、なにをすべきか
- クビアカツヤカミキリによる被害からサクラを守る「さくら守り隊」を結成し、その輪を全国に広げてゆきます。
さくら守り隊に所属した各人は「咲守」(さきもり)となり、「サクラの花を咲かせる」ための番人と位置づけます。
咲守(さきもり)になった人には、スマホのサクラ監視の専用アプリで自分の周りにあるサクラの写真を撮ってもらいます。
その木はあなたが監視するサクラとなります。地図上にその位置が出てきます。何枚かのカットを撮ってもらいます。
もしクビアカツヤカミキリの食べかす糞の「フラス」が確認されたら、その木はクビアカに侵されています。成虫がいたら写真を撮り、その後成虫はすぐさま捕殺しなくてはなりません(外来生物法)。相手は翅があります。すばやい対処が必要です。
まったく異常がなくてもその木はまだ侵されていないという大事な情報です。
しばらくの期間責任を持って監視してもらいます。
咲守(さきもり)が情報を送る回数はポイントとなり協賛、賛同企業からメリットが与えられる仕組みを企画いたします。
その木に対し責任を持ち、そして楽しくできる仕組みを考えます。 -
皆さんから頂きたい支援
- 「さくら守り隊」を発足させるための活動資金(2020年3月末まで)を、本クラウドファンディングを通じて募集いたします。
支援いただいた資金は、アプリ開発費、ウェブサイト制作費・運営費、それによって「さくら守り隊」の取り組みを全国に広げるための活動に使用させていただきます。
アプリはすでに開発を始めており、2019年6月末ごろに試作版ができる予定です。東京生物クラブに所属する有志の生徒さんが、このアプリを試験運用します。
そして、2019年8月以降、アプリの本格運用が始まる予定です。
これらの活動は「さくら守り隊」公式サイト上(制作中)で、随時ご報告いたします。 -
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支援へのリターンについて
- 支援していただいた方には以下のリターン(お礼)を用意しています。右側のメニューからお選びください。
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最後に
- 「今どこまでクビアカツヤカミキリに侵されているか」あるいは「どこはまだ安全地域だ」という情報は、行政担当窓口や有効な駆除方法を開発している方々へ大きな助けになります。
「さくら守り隊」アプリでサクラの写真を撮ることは、個人で個人ができるCSRの一つと言えるのではないでしょうか。
春になるとみんなを楽しませてくれるお花見をみんなで守りましょう。