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はじめに
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- 岐阜・中津川の観光施設「ちこり村」です。2006年にオープンした教育型観光施設で、西洋野菜チコリの国産化・普及を通じて日本の農業を元気にしようと始まりました。もうひとつの目的が高齢者の元気。山間の地方都市なので中津川市は人口の3分の1ぐらいが60歳以上。定年退職したけれどまだまだ元気な高齢者の方の雇用促進を行い、ちこり村のスタッフは6割以上が60歳以上です。そして、地元産品を扱い、ちこりの食べられる飲食店マップ「ちこりMAP」も展開し、地元中津川の元気も応援してきました。
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- 2009年には黒にんにくの取り扱いを開始しました。これは南米移住日本人農家の応援をきっかけにはじめた事業です。戦後の移民政策で日本から海を越えて地球の裏側の南米に渡った日本人農家がいらっしゃいます。食料自給率の向上を目的にした南米事業に関わり、その中でこうした日本人移住農家の方々に出会いました。
アルゼンチンの日本人移住農家 片淵さんもその一人。「南米のカリフォルニア」と聞いて夢を抱いてこの異国の地に渡りました。ところが、現地の畑は広大であったもののインフラが未整備。電気はなく、畑の塩害がひどく、そして水不足。言葉も通じない異国の地で筆舌に尽くせない苦労をし、当初一緒に入植した家族は20家族以上いたのが片淵家も含めて3家族にまで減ってました。
そんな片淵さんが手掛けようとしていたのがニンニク。当時日本で注目されつつあった黒にんにくを手掛ける生産者の方ともご縁があって結びつき、片淵さんを応援しようとはじまったのがちこり村の有機黒にんにくです。
※片淵さんはアルゼンチンで黒にんにくの生産・販売まで行うようになり、現在ではちこり村の有機黒にんにくのニンニクは現地の契約農家から調達しています。 -
- ▲アンデスの広大な有機にんにく畑(現地の契約農家さんの畑)
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お客様が菓子折りをもってお礼に!
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- ちこり村で取り扱いをはじめて試行錯誤して1年ぐらい。ようやく試食販売でご好評をいただけるようになりました。
繰り返しお買い求めに訪れる方や口コミで知人の方と一緒にグループで来てくれる方がおみえになり、「元気がでたよ」「ハツラツ気分♪」とのうれしいお声をいただき、手ごたえを感じていました。
そうしたある日。わざわざ遠方から菓子折りをもってお客様が訪れたとのこと。聞けば以前にちこり村にお越し下さり、その際に有機黒にんにくをお買い上げいただいたお客様です。とても有機黒にんにくを気に入ってくださったそうで、どうしても御礼がしたくてわざわざ足を運んでくださったそうです。
お金を払って商品を購入されたお客様が、わざわざ菓子折りをもってお礼に足を運んでくださった経験は初めてです。特別なサービスしたわけでもありません、こんな経験はちこり村でも初耳でした。
こんなに喜んでいただき、感謝される商品に出会ったことがありません。
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- もはや商売を超えた何かがこの有機黒にんにくにはあるとしか思いようがありません。こんな素晴らしい有機黒にんにくを日本全国に広めて喜びの輪を広げなくてはならない・・・そう感じたのが原点でした。
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そんなに凄い!スーパーフード「黒にんにく」とは?
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黒にんにくの産みの母は伊勢志摩の海女(あま)さん
- 黒にんにくは三重県で誕生したスーパーフード。起源は諸説ある中、三重大学の田口教授によると「伊勢の海女さんのニンニク」からヒントをえたという説があります。
海女さんは冷たい海に潜って長時間にわたる漁をします。冷たい海水に体温を奪われてカラダは冷え、とても疲れる過酷な仕事です。カラダが冷えると手足が悴(かじか)んでツラくなったり、カラダに余計なチカラが入ってクタクタになったり、体調を崩しがちになることもあります。数年前には“体温を上げること”の大切さを説く書籍が話題になったこともありました。
三重県・伊勢志摩の海女さんは冷たい海に潜る前に海女小屋でニンニクを銀紙に包み炭火で焼いて食べていたそうです。これが黒にんにくの生まれたヒントとなったそうです。三重県には「海女の温もり」という商品名の黒にんにくもあるぐらいです。
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古くから重宝されてきた元気食材ニンニクからつくります
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- 「にんにく」は五大文明発祥の地である中国やエジプトで古くから重宝された食材です。今から4000年以上も前、炎天下でダンプやクレーンなどの重機がない古代エジプト時代のピラミッド建造はかなりの重労働です。そのピラミッド建造に関わる労働者にたくさんのニンニクが消費されたそうで、クフ王建造のピラミッド内部の壁画には、労働者がにんにくを食べ厳しい労働に耐えている姿が描かれているそうです。
中国では「医食同源」という言葉があるように、毎日の食事を大事に考えています。その中国では「夏吃大蒜冬吃姜 不用医生開薬方(夏に「にんにく」を食べ、冬にショウガを食べると、医者をわずらわせて処方箋を書いてもらう必要はない)」という言い伝えがあるぐらいだそうです。
日本ではニンニク、ニラ、ラッキョウ、アサツキ、ネギは「五辛(ごしん)」と呼ばれ、修行僧が食べるのはご法度(はっと)とされるぐらいの“強精剤”と考えられたそうです。
※ニンニク及び黒にんにくは、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。医薬品のような病気の治癒・予防やからだ(部位)の増強・増進などの効果・効能は期待しないでください。
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発酵・熟成によりパワーアップしたのが黒にんにく
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- そのようなニンニクを発酵・熟成によりパワーアップしたのが黒にんにく。生のにんにくをある環境の中におくと、にんにく自身の持つ力で発酵・熟成がはじまります。生のにんにくは白ですが、発酵・熟成がすすむにつれ、色が黒く変化します(上の写真)。
色が変わるだけではなく中身も変化します。たとえば、ニンニクのニオイ成分「アリシン」。生のニンニクで強烈なあのニオイの源です。このニオイ成分が発酵・熟成の過程でS-アリルシスティンという注目成分に変化します。
他にもヒトのからだに大事なアミノ酸がグンと増えているのも特徴です。ヒトのカラダは約6割が水分で、約2割がたんぱく質。たんぱく質はアミノ酸から構成されてます。そして、ヒトが体内でつくれないため食品から補給するしかない必須アミノ酸もこんなに含んでいます。 -
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黒にんにくをひろめようとして・・・大きな3つの壁
- 実店舗・ちこり村での試食販売からはじめた有機黒にんにく。ちこり村に訪れてくれるのを待つだけでなく、イベントや催事など試食販売ができる場にでかけたり、共感してくださる施設に試食販売コーナーを設けて普及にまい進してきました。
しかし、大きくは次の3点が大きな壁となり、試食にすら手をのばしていただけない場面も少なくなかったです。
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ニオイに対する強烈な先入観が厚い壁
- 生のニンニクに対するニオイの固定概念は強烈です。
説明しようとしても、”ニンニク”というワードを聞いただけで、
「あー ニンニクはクサくて無理」
「うわっ! ニンニク!」
と足早に立ち去る人が少なくないです。
そう言われる方はまだよい方で、手でシッシッと追い払うようにされてしまうことも珍しくありませんでした。
そのぐらいニンニク=ニオイがすごいという先入観が強烈に埋め込まれています。
ニオイが苦手な方から門前払いをされてしまうのはとても残念なことでした。 -
国産=安全、外国産=危険という固定概念
- ちこり村の有機黒にんにくはアルゼンチン産(またはスペイン産)の有機栽培にんにくです。毎日続けていただきたいので農薬・化学肥料に依存しない有機(オーガニック)を選びました。
日本で有機(オーガニック)と名乗るには農水省の有機JASマーク認証が必須です。農水省の定める有機JAS規格に準拠した生産がおこなわれ、そのことを第三者機関が検査し認証をうけてはじめて付けることができるのが有機JASマーク。
この認証をうけるには生産記録をしっかりとらないといけません、検査も一度きりではなく定期的にあり、更新料も必要です。維持していくにはけっこうな手間がかかります。
ですが、中国の食品問題がクローズアップされ、中国を含めて海外産=危険という概念がもたれているようです。「このニンニクは国産なの?そうじゃないの?」だけ聞いて、国産でないことを伝えると足早に立ち去る方も少なくありません。
せっかく苦労して有機(オーガニック)にこだわり、信頼の証となる有機JASマーク認証を維持しているのに、話すら聞いてもらえない・・・こういう悲しい場面に会うことも少なくありません。 -
表の皮をむくのが面倒でやめてしまう人も・・・
- またせっかく黒にんにくを始めても”皮をむくのが面倒”とやめてしまう方もいらっしゃいます。玉の状態のにんにくには内皮と外皮(表の皮)の2枚の皮があり、底部の茎盤(けいばん)も外す必要があります。少しでも便利に召し上がっていただくには表の皮を事前に剥いておかなければなりません。
この皮むき作業は非常に手間がかかり、どうしても作業コストがかさみます。この作業コストが手頃に続けられる価格水準にするのを難しくさせていました。 -
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大きな壁をのりこえるために
- 近年は平均寿命が延びていく中で健康寿命への関心も高まり、異常気象などの外部環境の変化も相まって、これまで以上に丈夫なからだづくりの重要性は増してます。
丈夫なからだづくりには適度な運動、良質な睡眠、規則正しい生活は基本ですが、毎日のバランスの良い食事からの栄養補給も無視できない大事なことです。スーパーフード「黒にんにく」は丈夫なからだづくりに取り組む方のエナジー補給に好適です。丈夫なからだづくりに注目を浴びる今こそもっと広めて、たくさんの人に体験していただかないといけないと感じています。
そのためにはこれまで阻んできた壁をのりこえなくてはなりません。 -
新しいパッケージで商品開発
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- まず、このニンニクに対する強烈な先入観・・・ニンニクという言葉を商品名から外すことも考えました。でも、”元気くん”や”ミラクルパワー”などまったく関係のない名前ではいったい何なのか伝わらなくなります。そして、パソコンやスマホで検索してもでてこなくなってしまいます。それでは広めるどころではなくなってしまいます。
そこで、パッケージを変えてみることにしました。
農産物のパッケージは”中身がみえる”というのが鉄則と言われます。従来のパッケージも中身がみえるようにしてました。黒にんにくは皮がついた玉の状態ですと、色こそちょっと違うにしろ明らかにニンニクと同じ外観です。ぱっと見てどうしてもニンニクがイメージされてしまいます。
そこで・・・
この農産物のパッケージの常識を破ってみることにしました。中身がみえない見た目がかわいいデザインパッケージにしました。ただ、中身がみえないという不安への対処も考え、裏側からはみえるようにしました。
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そして・・・
パッケージ素材も変更しました。パッケージ素材にはニオイの心配が少ないバリア対応のフィルムを採用しました。
「でも開封するとニオイが漏れるのでは・・・」との心配もありましたが、気軽に携帯可能でおすそ分けもしやすいようにと小袋タイプにしたのが幸いしました。
さらに!
黒にんにくを玉の状態でなく、外皮を剥いて、底部の茎盤をはずしてほぐした片の状態のもので提供することにしました。このほぐしたタイプ(バラ)なら残るひと皮をむくだけで食べられます。ほぐし作業も軽減されるので、途中でやめてしまう人も少なくなる期待がもてます。
もちろん有機JASマークは継続です。せっかくの信頼の証なので、目に触れやすいようにパッケージの表面に印刷して入れるようにしました。 -
手軽に続けていただける価格を実現するために
- この新しいパッケージには開発中にも関わらず、手応えがありました。ただ、問題なのは手軽に利用できる価格をどうやって実現するかということです。この新しいパッケージはいろんな費用が嵩み、コストを抑えないと価格を高くせざるをえなくなります。
バリアタイプの素材を使い、小袋タイプにしたのでどうしてもコストがかかってしまいます。ここは数量をまとめて買うなど仕入方法を工夫して抑えることができたとしても、一番問題なのが外皮の皮をむいて茎盤をはがして1片ごとにする作業(ほぐし作業)でした。
ほぐし作業はどうしても手間がかかります。まず外皮をはがしますが、この際に内皮を一緒に破いてしまわないように気を付け、中身の黒にんにくをつぶしてしまわないように注意しながら行う必要があります。そして底部についている茎盤ですが、これをはがすのには少し力がいります。力を入れ過ぎて中身の黒にんにくをつぶしてしまったり、茎盤と一緒に内皮を破ってしまうことにも気を付けなくてはなりません。 -
- 内職など作業加工を安く請け負ってくださるところもないわけではありませんが、口に入れる食品なのでどこでもいいというわけにはいきません。ましてやちこり村の黒にんにくは信頼の農水省・有機JASマーク認証の黒にんにくです。皮むき、ほぐしなどの加工作業も有機JASの資格をもって管理ができるところでないと認証をいただけません。また現在の作業員の方はベテランが多く、ほぐす作業は早いです。仮にもし時給を安く引き受けてくれるところがあったとしても、今のベテラン作業員より早く剥くどころか、同等の速さで作業することすら困難であることが予想されます。結果としてトタールでは高くついてしまいかねません。
こうなると考えるのは機械化です。ほぐし作業と同様に大幅に効率化しないといけないのが小袋詰めの作業でした。これは多量に袋づめをするメーカーに学び、機械化することで目途をつけました。
ですが、ほぐし作業は単純ではありませんでした。実はこれまでもほぐし作業を機械化することにチャレンジしてましたが、黒にんにくにすると柔らかすぎて既存の機械をちょっと調整したぐらいではなかなかうまくほぐせそうにありません。
大幅に効率化するのには現状の延長線上ではどうにもなりそうにありません。でもこの商品を手頃な価格で実現するにはなんとか乗り越えなくてはならない課題です。検討をはじめて2年・・・ようやく新しいほぐし方を開発しました。詳しいことはノウハウなので公開するのはご容赦いただきますが、発想をガラっと切り替えてこのほぐし作業に合わせて製造方法も含め全体システムを見直したことで初めて実現した方法です。 -
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準備がととのい、積極展開しようとした矢先に
- こうしてようやく広めるための商品開発ができ、これからいろんなところへ試食販売しにでかけようと準備をはじめた矢先に訪れたのが新型コロナウィルス。百貨店の催事や各種イベントが軒並み中止。スーパーは営業を続けてましたが、接客する試食販売は自粛せざるをえません。
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- 通販での展開はするものの、通販は「黒にんにく」を探している人は検索でたどりつくものの、「黒にんにく」を知らない人はなかなかたどりつくことができません。丈夫なからだづくりに関心はあるけど、まだ「黒にんにく」を知らない人には出会うチャンスがなかなかつかめません。
「ようやく商品開発にたどりついたのに、広めることができない」
そんなときに、教えてもらったのがこのクラウドファンディングです。 -
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協力してくださる方に特別価格で
- クラウドファンディングはやりたいことに共感してくださった方々から応援をいただける仕組み。
丈夫なからだづくりへの関心が高まっているこの時代に、商品開発までできたのに何もできない状況をなんとか打破したい。このクラウドファンディングを突破口にできないか・・・ -
- そうして考えたのが今回のリワードです。ちこり村のオンラインショップでは1袋400円(送料別)にて販売していますが、次の特別なリワードを用意しました。大事な人にこのスーパーフードをすすめてくださる方を募集いたします。
おすそ分け 10人チャレンジ 10袋 3,000円(税込) 1袋あたり300円
おすそわけ 20人チャレンジ 20袋 5,000円(税込) 1袋あたり250円
おすそわけ100人チャレンジ 100袋 20,000円(税込)1袋あたり200円
※上記の3リワードはすべて送料込みです。 -
ちこり村 オーガニック 黒にんにく の特長
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-有機(オーガニック)とは-
- ちこり村の黒にんにくの特長はオーガニック(有機)であること。オーガニック(有機)は「農薬や化学肥料などの化学物質に頼らないで、自然界の力で生産された食品」です。
日本では農林水産省の有機JASマーク認証のある商品しか名乗ることができません。有機JASマークは、(1)農水省が定める厳しい「有機JAS規格」に適合した生産が行われていることを、(2)農水省に登録されている第三者機関が検査し認証された事業者が使用できます。
日本で30年ほど前に無農薬野菜、有機栽培野菜など生産者が勝手につけて売ってる時代がありました。そうした状況で消費者に正しい情報が提供されるように行政が取り組みをして、試行錯誤してつくりあげたのがこの有機JASマーク認証制度です。
ですので、この農水省の有機JASマークがついてないものは国内で有機(オーガニック)とは名乗ることができません。この有機JASマークがある食品は「農薬や化学肥料などの化学物質に頼らずに自然の力でつくられた食品」である信頼の証ともいえます。 -
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地球環境にやさしい
- この有機(オーガニック)は「農薬・化学肥料に依存してない」ということだけでなく、「地球環境にやさしい」ことでも注目されています。
例えばにんにくは畑の栄養をたくさん吸うため、同じ畑でつくり続けるにはたくさんの肥料を追加する必要があります。てっとり早いのは化学肥料を大量に投与することです。化学肥料を大量に投与した畑は自然な環境ではなく、そのような畑では自然界で土壌づくりに貢献するミミズをなかなかみかけることができません。化学肥料を大量に含んだ排水は河川の環境破壊にもつながるリスクがあります。自然の力でつながる生態系に、化学の力が不自然に加わることで生態系が崩れてしまい、持続可能な社会でなくなってしまいます。欧米先進国で有機食品が重視されているのにはこの「地球環境の保護」という考えも少なからず影響しています。 -